エチオピアの修道士だったEmahoy Tsege Mariam Gebruによるピアノの弾き語りアルバム。エチオピア帝政崩壊後の混乱期に自宅でカセット録音されたもの。
独特のリズムの濁りなきピアノと決して暗くならない歌声が融合して、青空に向けられた祈りのような清らかな音楽に聴こえます。厳かさと親密さが両立しています。
この曲のTenkouとは姪の名前で、家族に自作曲を聴かせていたのだと推察されます。そういう意味ではMolly Drake(Nick Drakeの母)の自家録音と似た雰囲気があります。
激動の時代を生き、昨年99歳で亡くなった彼女の声が時空を超えて直に語りかけてきます。