AIはしばしば、権力を持つ側によって弱い立場の人々が不利になる形で用いられることがある。
前節では、公的機関が効率化や改善を目的にアルゴリズムを導入した結果、AIの誤識別によって弱い立場の市民が財産を奪われる事態に発展したオランダの不正受給検知システムの例を見た。
企業などの組織でも、採用や労務管理といった人にかかわる領域でAI (アルゴリズム)を活用するときには、その判断がステークホルダーの利益や自由 尊厳に影響を与えうる。そのことを見据える想像力と慎重な運用が求められる。
『現代社会を生きるための AI×哲学』(講談社).P17