Koma Saxoの新作。昨年の前作は個人的にジャズの中ではかなり素晴らしい作品でした。今年もリリースしてくれるなんて大変ありがたいです。
前作は女性ボーカルをフィーチャーしてましたが、今回はバンド演奏に焦点が当たっているので、彼らの演奏のエグさがダイレクトに伝わってきます。サックスが3人いるのが特徴的で、3つの音を幻惑的に配置し、どれも主旋律にさせないような絡みになっているのが面白い。それでも曲として筋が通るのは強烈なリズム隊による推進力のお陰で、多彩なビートに圧倒されます。要するにめっちゃかっこいいです。
語彙力が全く追いつかない最新の北欧アブストラクトジャズ。今年のジャズの中で一番聴いた。めちゃめちゃ格好いいのだが、掴み所がない。何故かもよく分からなかったが、本来リード楽器たるサックスが大人しい重奏に徹している曲が多いので、通常のジャズとはかなりアンサンブルが異なるようだ。その分、ベースがえぐかったり、ボーカルが天女っぽかったり、予想外のところから脳が刺激される。リードとリズムの逆転ぷりなんかは、milesのnefertitiの超現代版と言えるかもしれない。モノクロームでニヒルな感じが(そしてその節々に艶やかな色がのぞくのが)代替不可な作品だと感じている。