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ふじもと

愛知県在住のカルチャーライター。94年生。

Real Soundに記事寄稿。
ブログ「Hello,CULTURE」運営。
共同運営note「オトガタリスト」運営。

実績→ http://fujimon-sas.hatenadiary.jp/entry/2018/12/24/140638

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眉村ちあき 顔ドン for fujimon_music

自己中心的な振る舞いや言動を繰り返す元カレに強烈な一撃を喰らわせるパンクな歌詞。A、Bメロの元カレのセリフは歌メロが極端に不安定であることに対して、サビの女性側のストレートな歌詞は超気持ち良いメロ、というのも歌詞と歌メロがリンクしていてより爽快。

Base Ball Bear SHINE for fujimon_music

5年振りに高校時代の友人たちと再会し酒を酌み交わした。友人たちは盤石な企業や官公庁に勤め、パートナーと結婚していた。地元を離れ、仕事の傍らでライターを志してる私を「俺らとは違うねぇ」と話してた。

確かに違うかな、と思う。どっちが正しいという話でもないが、多分私の地元では彼らこそが『普通』の人生、というやつなのだ。

多分彼らのように『普通』のライフコースを歩むことだって出来ただろう。自己実現ではなく、生活のための仕事。それだって尊いものだ。それでも、私はそれを拒んだ。

私が欲している光は『普通』の場所には無い。『普通』なんてかなぐり捨てて、今掴めそうな光を追って、その光源を食らい尽くす。

Hikaru Utada One Last Kiss for fujimon_music

全編を通して各部に「繰り返し」が施されつつも、最後には別の展開が待ち構えているサウンドメイクは、主題歌となった「シンエヴァ」との強いリンクを感じる構造。

「初めてのルーブルは なんてことなかったわ」というポップソングとは思えない出だしのリリックに衝撃を受けつつ、誰かを愛するという普遍的なテーマを宇多田ヒカルらしい一筋縄ではいかない言葉遣いで表現する様に舌を巻く。時折フッと現れる「終わり」を予感させるフレーズも、自己と他者をテーマとしたエヴァらしくもあり、甘いだけじゃなく苦味や哀しみも歌い続けてきた宇多田らしくもある。

Base Ball Bear SYUUU for fujimon_music

バンド初期、それこそ「CRAZY FOR YOUの季節」辺りを彷彿とさせるビートに乗る歌詞は、「死」の匂いを漂わせつつも、全ての生きる人の背中を押すもの。

2020年を経た2021年、死と生を描くのはフロントマンの小出にとって様々な意味合いにおいて必然だったのだろう。サウンドはいわゆる皆が思い描くベボベらしいが、歌詞はいい意味で全くベボベでは無い。(WHAT IS THE)LOVE & POP?の頃の小出だったら多分フレー!フレー!なんて歌詞は書かなかっただろう。

これ以前からベボベは死と生をテーマにしてきたバンドだが、近作で明らかにそのバランスがグッと生に向いている事に注目したい。