楽曲自体はシンプルなのに歌うのはめっちゃ難しい。
これが自由に歌うということか。
現在、絶賛公開中の記録映画『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』でもやたらと黒人解放のメッセージを発信しているジャズ・シンガーのニーナ・シモン。信念に燃えるミュージシャンの一人である彼女のデビュー盤より一曲。
とにかくニーナ自身が弾くピアノが神懸かり的で、ジャズ本来の楽しさや奥深さに気付かせてくれる逸品である。ここまでソウルフルな歌声なのに、ちっとも熱苦しさを感じさせない辺りが彼女の天才性を物語っている。
基本的にジャズとはサウンドを楽しむもの。彼女の場合、そんな「アコースティックなサウンド」に立ち戻った聴く者の心を鷲掴みにする訴求力がある。やはり彼女は本物。