60年代後半、数多くのアーティスト達がクラシックとの融合を試みる。しかしそれらはそれぞれの予想を遥かに超えた困難な作業で、あらゆるビッグ・ネームが挑戦しては失敗している。
理由は幾つか考えられるが、多くのバンド側がオーケストラの体質を掴み切れなかった点にあるようだ。そんな中で極めて少ない成功を収めたのがこのムーディー・ブルースだ。
バンド内にリーダーを置かない事をデビュー当時から売りにしている彼らだからこそ、バンド以上に大きな組織であるオーケストラとうまく意見調整をし、まとめ上げることのできた名作と言える。54年経った現在でも古さを感じさせる部分はほとんどない。驚異的だ。