好きだったなぁ
大学時代のバイト先にて。
時給は低いけれどひとりでマイペースに店番できるし、なによりBGMが自由だったのでお気に入りだった。生まれ育った街にあるレンタルビデオ屋さん。
見知った人間もこの店の会員。その日は小学生時代の同級生が来ていた。「きみさ、今の生活に不満とか、将来に不安はない?」「俺はいま最高にたのしいよ!」「会社のみんなで宇宙ロケットを飛ばすのが目標なんだ!」「友達と一緒にうちの先輩の話聞きにこない?」
彼はいつもビデオを借りず、あやしいビジネスの話をハイテンションで捲し立てる。僕はCDをデタミネーションズに変える。「あれ、この曲かっこいいね?」お、やっと話が逸れたぞ。